自慢のかりんとうを手にした河野さん=九重町下尾本河野さん方工房
九重町下尾本の国道210号沿いに、“千客万来”の看板を掲げた小さな「ひこばえ工房」がある。河野ちえ子さん(59)が自宅そばに設けた菓子づくりの趣味を生かした「手作りかりんとう」の作業場だ。かりんとうは町の観光スポット「九重“夢”大吊橋」の売店や福岡市のスーパーなどで売られ、なかなかの人気を集めている。
河野さんは同じ場所で食堂を経営していたが、有機農業グループの仲間から「店に出してみらんね」と勧められ、2008年11月から“菓子業”に転換した。「かりんとうは日持ちがよく、作業も気軽にできることで選んだ」と話す。
かりんとうは「ゴマっこちゃん」や「おからちゃん」と「おみそちゃん」に、「ピリカラくん」と「ごんぼくん」の5種類。有精卵やゴマなどは地元産の素材を選び、国産小麦や良質のてんぷら油を用い、心を込めて作り上げている。
河野さんは中学生のころからパンやケーキづくりに興味を持ち、結婚後の子育て時代もおやつはほとんどが手製。当時のエピソードですと前置きし、作業の手を休めながら「子どもから買ったお菓子食べたことない―と、よく言われました」と笑った。
かりんとうの味はいたって素朴。小型のめん打ち機で平たく伸ばしているのが特徴で、パリパリと歯応えがあり、かむほどに控えめの甘みやゴマ風味が広がる。揚げたばかりの温かさを味わうのも面白い。値段は1袋が350円から400円。
「よくこねると出来上がりがきれい。2度揚げするのもコツ。客からは焼いたものかと聞かれます。何よりおいしいと言われるのが一番うれしい」と河野さん。