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別府八湯

温泉道の総仕上げ でも・・・やっと“入り口”

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2008年03月27日掲載 |最新に戻る

別府市のあちこちにある小さな共同温泉。時間を問わず、洗面器を手にした人が出入りする

 半年前の夜だった。
 右手にタオル。懐には「スパポート」という名の真っ赤なスタンプ帳。準備万端で飛び込んだのは別府市鉄輪東のいでゆ坂にある地獄原温泉だ。
 初めての共同温泉は隣家の風呂におじゃましたようで緊張した。浴槽の隅で、借りてきた猫のようにおとなしく、「別府八湯温泉道」の一歩目を刻んだのだった。
 温泉道は思いのほか険しかった。「別府の湯は熱い」と聞いてはいたが、体は赤くゆで上がり、文字通り熱さが「身に染みた」。続けて行った不老泉(中央町)の湯はさらに熱く、体を沈めるスピードは大分弁で言う”一寸ずり”だった。
 地元の人は平気そうに見える。八幡温泉(朝見)にいた三歳ぐらいの幼児は熱めの湯でも涼しい顔。負けてはいられない。毎夜の”修行”に励んだ結果、熱さは徐々に慣れることが分かった。
 世間話が楽しくなった。「こん湯はアチィやろ。おかげで七十年間、水虫になったことがねぇんで」。地元の温泉は住民の誇り。紙屋温泉(千代町)で聞いた自慢話に、思わず顔がほころんだ。
 肌寒くなった秋の夜。谷の湯(北中)で出会ったお年寄りが、帰り際、湯たんぽにアツアツの温泉をためていた。何ともうらやましかった。
 湯の街のシンボル・竹瓦温泉(元町)はさすがの存在感。大みそかにのれんをくぐると、湯船で肩を寄せ合うほどの盛況だった。「一年のあか落としは竹瓦で」という人は多いようだ。
 温泉はどこにでもある。路地裏の梅園温泉(元町)を探して、自転車で飲食街を行ったり来たり。一階が浴場という公民館は多々あり、別府競輪場にも温泉がある。立地を生かした絶景露天など、ホテルや旅館では、付加価値を高めた温泉が待っている。
 青い湯、白い湯、緑に茶色。くせのない無味無臭に加え、硫黄や鉄分の香りあり。酸味に渋味、苦味に甘味。泉質は知れば知るほど面白い。
 八十八湯を巡って温泉名人になった時、はたと気付いた。温泉の魅力にはまった今、ようやく奥深き”温泉道”の入り口に立てたのだと。

メモ

 別府八湯は、別府市内にある別府、鉄輪、明礬、浜脇、亀川、観海寺、堀田、柴石の8つの温泉郷の総称。日本温泉協会のデータ(2005年度)によると、別府市は公衆浴場の数が全国トップの154カ所。ホテル・旅館などを合わせると、入浴可能な温泉は約400カ所になる。泉質も豊富で、医療効果の観点から分類した11種類のうち、放射能泉を除く10種類の湯がある。

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湯ったりおおいたとは?

温泉天国・大分。名湯、秘湯もたくさん。相変わらずの温泉ブームで、県内各地の温泉はにぎわいをみせています。温泉の楽しみの一つは見知らぬ 人との湯を介しての触れ合い。温泉好きの記者が各地の温泉を訪ね歩き、いろんな人と触れ合いながら、入湯体験をリポートします。

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