
▲日ごろの疲れを癒やしてくれる「シャインホテルくす」屋上の展望風呂。家族連れや営業マンなどリピーターが多い
いつの時代も、ビジネスマンは忙しい。
温泉取材のため、このビジネスホテル「シャインホテルくす」にチェックインしたのは、平日の午後五時半。まだ書いていない原稿を山と抱え、他の取材先から直接、予約していたシングルルームに投宿した。部屋番号は四〇七号室。
ビジネスマンに暇はない。早速、浴衣に着替えて五階の屋上へ。貸し切り状態の「展望風呂」で、手足を伸ばした。
目の前に、童話の里のシンボル・伐株山が見える。その向こうに稜線(りょうせん)を描いているのは、メサ台地で知られる万年(はね)山。視線を遠くに移すと、くじゅう連山が秋の夕日に染まっている。
「それにしても」と、軟らかい湯を肩にかける。「こんな仕事(取材)が毎日続けばいいのに」なんてことを考えながら、備え付けの「夢枕」に頭を置いて、浴槽内にゴロンとなる。それからしばらくは夢の世界を行ったり、来たり…。
「あっ」と気付いた時には、午後七時半を過ぎていた。ビジネスマンにとって、「時は金なり」―。慌てて部屋に戻り、取材ノートを脇に忍ばせ、一階の居酒屋「春日茶屋」ののれんをくぐった。
「今日は何事?」。声の主は同ホテル支配人の豊田忠士さん(43)だ。手作り豆腐や豊後玖珠牛の鉄板焼きに舌鼓を打ちつつ、カウンター越しに話を聞く。
「営業マンはもちろん、家族旅行での宿泊客も多く、大半はリピーターです。うちの温泉は自家掘りで、泉源は地下六百メートル。美肌効果 にいい―と好評をいただいております」
食後、再び展望風呂に体を沈めた。夜景を眺めていた三十代の男性は「大阪からの出張です。温泉に入れば疲れも取れる。ホンマ、最高っすわ」。帰りのエレベーターで一緒になった五十代の女性は「熊本から年に二、三回はリフレッシュに来ます」と語り、部屋へ消えていった。
時計の針は午後十一時を回ったが、多忙なビジネスマンに昼も夜もない。原稿を書くため、持参したノートパソコンの電源を入れた。途端にまぶたが重くなり、あまりの心地よさに「ちょっと休憩…」。 気付けば、不覚にも朝であった。
47度の単純泉。効能は神経痛、筋肉痛、五十肩、慢性消化器疾患など。宿泊料はシングル6720円(朝食込み)。一般 入浴は正午から午後5時まで1人400円で可能。無休。問い合わせはシャインホテルくす(TEL0973・72・7188)。
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温泉天国・大分。名湯、秘湯もたくさん。相変わらずの温泉ブームで、県内各地の温泉はにぎわいをみせています。温泉の楽しみの一つは見知らぬ 人との湯を介しての触れ合い。温泉好きの記者が各地の温泉を訪ね歩き、いろんな人と触れ合いながら、入湯体験をリポートします。
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