
鶴川温泉の趣ある日本庭園風の露天風呂。「肌もすべすべ」=玖珠町太田
数ある温泉の中から取材先を決めかねていた時、「温泉本などで紹介されてないけど、常連の多い温泉」と聞いたのが、ここ鶴川温泉。興味を引かれ、訪れてみた。
温泉は、町の中心部から立羽田の景方面へ向かう途中、のどかな山あいの集落の一角にあった。経営者の松本豊子さん(53)の義父、一男さん(78)が「地域の活性化につながれば」と業者に依頼、見事源泉を掘り当て、一九九四年に営業を始めた。「夜は近所の方、日中は遠方からのお客さんが多いですね。何にもない所ですけど、皆さん『加水・加温なしの完全掛け流しがいい』とは言ってくれてます」と豊子さん。百聞は一見にしかずということで早速、浴場へ。
男女別の浴場にはそれぞれ内風呂と露天風呂がある。ほぼ無色無臭の湯はやわらかみがあって、優しくまとわりつくような肌触りが気持ちいい。日本庭園風の露天風呂は、庭師をしていた一男さんがこだわったというだけあって情緒たっぷり。程よい湯加減、辺りの静寂の中、落ち着いた風情の庭園を眺めながらつかっていると、あまりの心地よさに仕事を忘れそうになってしまった。
気を引き締め直して取材再開。数組の入湯客に話を聞いてみると、うわさ通り、遠方からの人はリピーターばかり。休憩室でくつろいでいた北九州市の尾家豊子さん(53)ら友達三人組は「月に一、二回来て、必ず二、三回は入って帰る」というほれ込みよう。「肌がすべすべになるし、ここに来ると田舎に帰ってきた気分になるんですよ」と魅力を語る。玖珠の自然と温泉が気に入って、夫婦で佐賀から越してきたという吉田喜代子さん(60)は「泉質がいいでしょ。あと…、おかみさんの人柄かな」。実は、尾家さんたちも同じことを言っていた。思わず納得。
おかみさんの豊子さんがとにかく気さくで明るい。温泉の管理・受付、軽食の提供と一人で切り盛りしつつ、湯上がりにくつろぐ近所の人や常連客と、世間話をしたり冗談を言い合う姿が印象的だった。泉質や風情もさることながら、そんな家族的な雰囲気もこの温泉の大きな魅力に思えた。
泉質は単純温泉。神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復などに効能。家族湯(内風呂のみ)もある。営業時間は午前11時から午後9時まで。水曜日定休(祝日の場合は営業)。入浴料は大人250円、子供100円、月決め2000円、家族湯一人500円。問い合わせは、鶴川温泉(TEL0973・72・4426)へ。
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温泉天国・大分。名湯、秘湯もたくさん。相変わらずの温泉ブームで、県内各地の温泉はにぎわいをみせています。温泉の楽しみの一つは見知らぬ 人との湯を介しての触れ合い。温泉好きの記者が各地の温泉を訪ね歩き、いろんな人と触れ合いながら、入湯体験をリポートします。
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