空揚げを揚げる村上正明さん=中津市本耶馬渓町「村上食堂」
市内各地の店舗を紹介する地図があったり、フェスタが開かれたりと、すっかり名物になった“中津の空揚げ”。なぜ中津地域にこんなに鶏の空揚げ店が多いのかは諸説あってはっきりしないが、地元の人が好んで食べるのは事実。人気の秘密を探ろうと、同市本耶馬渓町曽木の「村上食堂」を訪ねた。
店は青の洞門のすぐそば。古めかしい店内に張られたメニューにあるのは「からあげ定食」「めし」「みそ汁」「からあげ」だけ。まさに空揚げの専門店だ。
「何といっても揚げたてが一番」。二代目店主の村上正明さん(60)は注文を受けてから秘伝のタレに漬け込んだ鶏肉を揚げる。タレはしょうゆをベースにニンニク、ショウガ、リンゴなどを混ぜ合わせて作る。調合の割合は創業以来、四十年以上も不変だ。変わらぬ味付けに長年の愛好者も多く、週末には県外から訪れる人もいる。
「両親が苦労して作り上げたタレだから変えるつもりはない。子どもが揚げたての空揚げを『おいしい、おいしい』と言って食べてくれるのが一番うれしいね」
待つこと、およそ十分。出来たての香ばしい空揚げにかぶりついた。肉まで下味がしっかり染み込んでいて何ともジューシー。納得の味に思わず「もう1個ください」。
メモ
県北地域には空揚げ専門店が多く、中津市内だけで40店以上ある。村上食堂では「骨から出るエキスがうま味を引き立てる」と、使う肉は骨付きだけ。価格は100グラム180円。営業時間は午前9時半から午後7時まで。月曜が定休日。問い合わせは(TEL0979・52・2317)。